コラムColumn
皮膚科

イヌのアレルギー検査

消化器症状や皮膚病の治療の際、食べ物のアレルギーを疑う場面があります。

その時にアレルギー検査をお話することがありますが、そのお話をちょっと。

アレルギー症状とは?

検査の前に、アレルギーを疑う症状はこんなものがあります

消化器症状;嘔吐、下痢・軟便
 通常の便でも、排便回数が多い場合には、アレルギーを疑います

消化器症状;痒み、皮膚炎
 特徴的な場所は、口の周り・背中・おしり周り・足先です
 また、症状が若い段階(生後1歳前後)から出るのも特徴的です

アレルギーの種類

アレルギーにはいくつか種類があります。
おおざっぱに分類すると以下の表になります

このうち、痒みや下痢・嘔吐などに関係するものは、Ⅰ型とⅣ型が当てはまります。

ですので、基本的にはアレルギー検査とは、Ⅰ型(IgE)とⅣ型(リンパ球)の検査の事を指しますが、
飼い主さんがアレルギー検査と考えるのは、IgE検査の方でしょう

Ⅰ型アレルギーの検査

アレルギー検査といえば、という検査です。
マスト細胞やIgE抗体などが関与するアレルギーです。

はたらく細胞」でもありましたね。
1期 第5話です

アレルギー症状があり、何かしらの抗体が高い場合には、そのアレルギーを疑います。

当院が外注検査依頼している「動物アレルギー検査会社」では下記の項目の検査が可能です。

Ⅳ型アレルギーの検査

マイナーな検査かもしれませんが、遅延性のアレルギーで食物アレルギーに多い印象をうけます。
血液中のリンパ球の反応をみるため、血液検査で検査可能です。

IgE検査で全く異常値がなくても、こちらの検査でアレルギーが疑われることもあります。

「動物アレルギー検査会社」では下記の項目の検査が可能です。

アレルギー検査の注意点

注意点というか、私が日ごろから注意・気にしていること。

それは、アレルギー検査をする前に、アレルギーに合致する症状があるか?です

無症状の犬猫に検査を行い、その検査で異常が見つかったとしても、それはアレルギーとは言えません。

たとえば、人のスギ花粉症では、花粉症症状のない人でも10-20%でスギ花粉に対して高いIgEを保有していたという報告もあります。

抗体(IgE)が高い=アレルギーでな無いという事です!!

アレルギー検査は体内の複雑な免疫反応の一部を抜き出して行う検査ですから、絶対的な検査ではありません。

唯一、絶対的な検査は、パッチテストでしょう。

皮下に抗原を投与して、皮膚が赤く腫れるかを観察する検査です。
「抗原の侵入から、免疫が反応し、皮膚症状がでる」その一連の反応を可視化するものです

残念ながら、それを検査するキット等は国内にはなく、自作するしかありません。
また、背中または体の側面を大きく毛刈りし、20-30か所抗原を投与しますから、侵襲性があります。
さらに、Ⅰ型アレルギーが発症すれば、アナフィラキシー反応が出る可能性もあります。
一部の皮膚科専門どうぶつ病院で行われていますが、大事をとって入院管理となるようです。

アレルギー検査は、結果がグラフや数値で一見わかりやすい検査ですが、疑陽性・偽陰性が多くみられる検査です。
 疑陽性;病気でないのに病気であるという検査結果になること
 偽陰性;病気なのに病気でないという検査結果になること 

その検査のタイミングや症状、行った検査の特性をよく理解して、検査結果を読み解くことが必要です